100日プランの検討成果を、適切に経営者の評価指標とし、インセンティブの計算式に織り込んできちんと動機付けを行います。
買収時に買収先の経営者に対して提示した報酬パッケージのうち、インセンティブ(短期、状況により別に長期)については、多くの場合、概要の提示にとどまっているため、100日プランなどの検討を踏まえて、プランの詳細を最終化します。
買収先が達成すべき業績を明らかにし、これを経営者のインセンティブと具体的に紐づけることで、初めて買収先の業績向上に向けたインセンティブが有効に機能するからです。
例えば、目標の達成率に応じて支払われるキャッシュプランの場合は、目標達成時(Target)、経営上許される下限の達成時(Threshold)、さらにインセンティブの支払いを頭打ちとする上限達成時(Maximum)などの具体的な目標を、新会社に求めるビジネスプランと整合的に確定します。 また、企業価値に応じて支払われるキャッシュプランや株式を活用したプランの場合には、付与条件、付与額算定方法、権利行使タイミング、などのプランの詳細を確定します。
経営者のインセンティブでは、業績がThresholdを下回ると、支払い額が一気にゼロになるように設計されていることが多い。どのような事情があろうが下回ることが許されない(Unacceptable)業績ラインを定めているのは、株主の気持ちのストレートな代弁であろう。
目標を下回っても、Thresholdで一気に支払額をゼロにしないで業績連動を継続する(つまりゆるゆると下げ続ける)方が、悪いなりに少しでも頑張るのではないか、あるいは、リーマンショック後のような特別な場合には、業績連動で支払額を下げ続けるのではなく、どこかのポイントから先は経営者が免責されて支払額が下げ止まるべき、という議論も、もしかしたらあるだろう。
しかし、経営者は一般社員とは大きく異なる。資質と実力を持つ人材が、大きな経営の自由度を与えられているのである。たとえ企図した施策がうまく行かなくても、経営環境がどうしようもなく悪くても、何とかできる余地があるはずだし、何とかするのが役目なのである。経営者に対する報酬・インセンティブとは、経営者が逆境でも決して諦めず、いろいろ工夫と努力を重ねて、何とかThresholdの業績に到達し、さらにその上を目指すよう促す仕組みなのである。
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