迅速で柔軟な企業成長は、「買収・統合」と「カーブアウト・事業売却」を車の両輪のように活用して初めて可能となる。日本企業においてニーズが高まるカーブアウト・売却の人事実務を、徹底解説
カーブアウト・事業売却は、買収・統合と一対となって迅速な成長を実現する、基本的かつ重要な経営手段である。事業の状態がよい時に売却を意思決定し完了すれば、売り手、買い手、その事業の従業員にとってメリットとなる。売り手は、綿密に事前準備をしてこそ、高く、遅滞なく、そして手離れよく売却を進めることができるのだ。本書では、売却合意前の交渉の視点と、売却合意後の合意事項の実行の視点から、カーブアウト・事業売却に伴う従業員・債務・制度・インフラの課題と実務を詳説するほか、表明保証保険の活用、さらには有事を見越した平時からの取組みや、人員余剰対策についても解説している。また、主要国別の留意点も明らかにしている。
マーサージャパン共著
マルチナショナルクライアントセグメント代表、M&Aアドバイザリーサービス部門代表、英国アクチュアリー会正会員
グローバル企業のトランスフォーメーションを、事業のライフサイクル全体にわたり、M&A(買収・売却)を含めて支援。 社外での講演や専門誌等への寄稿等も多数行う。
猪瀬 行広(いのせ ゆきひろ)※執筆時
組織・人事変革コンサルティング部門、M&Aアドバイザリーサービスリーダー プリンシパル
M&A・組織再編時における組織・人事デューデリジェンスからPMIまで、幅広い支援を提供している。特に、合併時の 組織・人事PMIの支援や会社分割・事業譲渡による事業の切り出し後の新会社立ち上げ支援を得意とする。また、 人事制度、要員・人件費コントロール、退職給付制度など組織・人事分野における豊富な経験を有する
M&Aアドバイザリーサービス部門 マネージャー
日本企業によるクロスボーダーM&Aアドバイザリー業務に従事。組織人事デュー・デリジェンス業務、経営者報酬およびリテンションプラン策定、ガバナンス設計、グローバル企業の事業買収における人事制度設計、従業員コミュニケーション、買収後経営体制トランジション支援、大規模な組織再編等、幅広い支援を行っている。
年金コンサルティング部門リーダー、日本アクチュアリー会正会員 年金数理人
年金関連業務における20年超の経験を有する。数理計算、制度設計、年金ALM、M&Aにおけるデューデリジェンス・契約交渉・PMIなど幅広いプロジェクトをリード。マーサー入社以前は大手信託銀行において、企業年金に関する制度設計、数理計算業務及び運用提案などの業務に従事。
M&Aアドバイザリーサービス部門 マネージャー
主に日本企業による欧州・米国企業の買収に伴う組織・人事デューデリジェンス、経営者報酬設計・リテンション、買収後のグローバル人事戦略策定の支援などに従事している。また、統合から数年が経過した企業における中長期的な人事戦略の設計、過去に買収した拠点に対する人員削減・適正化など、統合の一層の深化を目指すフェーズにおける複数のプロジェクトにも携わる。
佐藤 智哉(さとう ともや) ※執筆時
M&Aアドバイザリーサービス部門 マネージャー
労務・厚生企画、報酬設計、個別人事、グローバル人事、人事制度改訂など、人事領域での幅広い経験を有し、さらに、現地法人でのグレード制度導入、経営者報酬の設計など海外での人事経験も豊富。日系企業のクロスボーダーM&Aにおける人事デューデリジェンス、クロージングに向けた人事実務、経営者リテンション、買収後のインセンティブ設計等を支援。
M&Aアドバイザリーサービス部門 アソシエイトコンサルタント
電機・機械、自動車、化学、非鉄金属、物流、通信、食品、サービスなどの業界を支援。国内外の企業の買収に伴う人事デューデリジェンス支援やPMIフェーズにおける人事制度統合支援等の経験を有する。加えて、日系企業に対するタレントマネジメントの導入支援、経営人材アセスメント支援、人事制度改定などの組織人事に関するコンサルティング経験も豊富。
M&Aアドバイザリーサービス部門 プリンシパル
日系企業のクロスボーダーM&Aの支援を手がけている。これまで、化学、機械、IT、精密機器などの幅広い業界にわたって人事デューデリジェンス、経営者のリテンション、ガバナンス体制の設計、多国籍企業の資産買収における従業員転籍支援を行っている。
M&Aアドバイザリーサービス部門 マネージャー
日本企業による国内外の企業の買収案件ならびに外資系企業による日本企業の部門買収案件、国内事業再編に伴う統合案件、日本企業の海外JV設立案件に従事。人事デューデリジェンス、経営者リテンション、多国籍カーブアウト案件のクロージング支援、従業員コミュニケーション、PMIにおけるグループ再編に伴う人事制度統合等の支援を行っている。
M&Aアドバイザリーサービス部門 パートナー
15年にわたり、日本企業の行うクロスボーダーM&Aを幅広く支援している。著書に、「クロスボーダーM&Aの組織・人事マネジメント」(第7回M&Aフォーラム賞受賞)、「買収効果が出る クロスボーダーM&Aの組織・人事手法~コントロールと統合の進め方」、「クロスボーダーM&Aの組織・人事PMI」などがある。
M&Aアドバイザリーサービス部門 プリンシパル
各国上場企業をはじめ、PEからの企業買収や創業者ベンチャー買収など、多くの支援経験を有する。また、大型買収案件における複雑性の高い経営者リテンション交渉や、買収後の経営者交替の支援など、経営者ガバナンス・コントロールの領域でのプロジェクトを複数リードしている。グローバル企業の事業売却に伴う国内カーブアウト、外資-日系の人事制度統合なども支援。
橋本 道雄(はしもと みちお)
マーシュジャパン株式会社プライベートエクイティ&M&Aサービス バイスプレジデント
国内外のM&A案件において、表明保証保険をはじめとするリスクアドバイザリー業務を担当。著作等に「【鼎談】大手損保4社が参入した国内M&A保険の現状と期待」(MARR Online、2021年11月30日)、「M&Aにおける表明保証保険の利用上のポイント」(経理情報、2021年5月1日号(No.1610))などがある。
服部 洋平(はっとり ようへい)
M&Aアドバイザリーサービス部門 シニアマネージャー
電機・機械、精密機器、化学、物流、情報通信、食品、サービスなどの日系グローバル企業に対して、人事制度改定、組織再編、ガバナンス体制の構築、人事領域のデューデリジェンス、グローバルタレントマネジメント、要員計画、従業員意識調査、グローバルモビリティーポリシー策定等の支援している。