マーサーでは責任投資を、責任ある投資家(スチュワードシップ)として積極的な対話と行うとともに、環境(Environment)、社会(Social)、コーポレートガバナナンス(Governance)、広範囲にわたるシステミックな問題 – 例えば気候変動や持続的な経済成長-といった要素を加味した投資手法であると定義しています。
責任投資は投資家を混乱させる可能性があり、どこから始めるべきなのか、何を優先するべきなのかが悩ましいものかもしれません。
1. 理解: 責任投資は多岐にわたる分野での実践とプロセスが求められます
2. 計画: 責任投資 実施計画の策定
マーサーの責任投資のアプローチは、4つのステップをとります。つまり、信条/哲学、運用方針、プロセス、そしてポートフォリオへの反映です。
プロセスの統合(インテグレーション)
ポートフォリオ全体において、投資意思決定の際にESG要素、気候変動に関する移行リスク及び物理的リスク(物理的損害を被るリスク)に対する明確なアプローチを取込む
目的:数値目標達成及びリスクマネジメントの向上
スチュワードシップ
投資対象企業に対する議決権行使および積極的な対話を行うとともに、政策立案者に働きかけることにより、株主としての権利行使/責任ある投資家としての責務を遂行する
目的:数値目標達成及び金融システム向上に対する貢献
投資
新たな投資機会として、持続可能性に関連するテーマ投資、またはインパクト投資に資金を配分する
例えば、再生エネルギー、水、低所得者向け公営住宅整備など
目的:数値目標達成及び社会、環境に対するプラスのインパクト
スクリーニング
社会的責任を果たしていないとみなされるセクターおよび企業の除外、また投資を行うことにより利益を得ることが妥当と言えない企業の除外
目的:価値基準、社会的評判、リスクマネジメントとの整合性、長期的な投資成果に対する期待
1.投資哲学にESG・気候変動は加味されているか? | ||
2.ESG・気候変動は運用方針およびガバナンス体制に反映されているか? | ||
3.プロセスと戦略に整合性はあるか?内部、外部の運用者は、ESGに関する運用方針、プロセスを遂行するためにどのような指針を与えられているか? 4.実務と運用方針の整合性を保つために報告、モニタリング体制が構築されているか? |
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5.気候変動及びESGに関連するリスクおよび新たな投資機会は取り込まれているか? 6.議決権行使及びエンゲージメントに関する明確な方針が構築されているか? 7.サステナビリティ―テーマESG及び気候変動対策が、運用戦略に取り込まれているか? 8.投資対象を除外する適切かつ正当性を担保する枠組/体制が構築されているか?また、それらは適宜モニターされているか? |
マーサーでは、責任投資実施計画の策定において、順を追ったアプローチを推奨しています。次に示す図では、3年間計画の重要なステップを表しています。
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ESG要素の取込み(インテグレーション)
スチュワードシップ
テーマ型運用
スクリーニング
* SDG — 持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals) * TCFD —気候関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures) |