『戦略フォーサイト』(日経産業新聞) 2019年6月21日~
海外M&Aの組織と人事


本レポートに関するセミナーを2019年11月26日(火) に開催予定です。 M&Aセミナー特別編として、コラムの内容を題材に、講師の深掘り解説を加えながら、ご参加の方々と議論を深めます。

The series of articles featured in The Nikkei Business Daily from June 21 to July, 2019 (English version is available)

Organizational And Talent Issues In Cross-border M&As

 

 

目次

  •  
    • 第1回 「軽視できない組織・人事リスク」
    • 第2回 「M&Aの成否を左右する組織・人事課題」
    • 第3回 「買収した会社の経営方法」
    • 第4回 「買収先に対するコントロールの確立」
    • 第5回 「買収後の統合」
    • 第6回 「買収先経営トップとの秩序感」
    • 第7回 「買収先経営者のオンボーディング」
    • 第8回 「組織統合と組織の交雑」
    • 第9回 「事業や子会社の積極的な売却」
    • 第10回 「買収先経営トップの上司の人選と支援体制」

第1回 「軽視できない組織・人事リスク」

国内市場だけでは十分な成長が難しい、という認識を裏付けるかのように、海外M&Aが拡大している。2005年に日本企業が行った国内外2,725件の買収のうち、海外は411件(15%)であったのが、2018年には、3,850件中777件(20%)まで伸びた。777件の内訳は、北米276件、欧州176件、アジア259件、その他66件である(レコフデータ調べ)。

この隆盛のなかで、次第に重視されてきているのが、組織・人事のリスクである。M&Aでは、事業のリスクはもとより、定量化して買収価格への反映を交渉する財務的リスクと、法的なリスクに関心が集まる。しかし、マーサーが継続的に実施しているグローバル調査(日本を含む)では、「カルチャーの適合や統合の問題」が原因で、30%の案件において業績目標の達成に失敗し、67%の案件で買収効果が出るのが遅くなり、43%の 案件で買収合意が遅れたり、買収合意できなかったり、買収価格に悪影響があったことが明らかになった(マーサー調べ、54か国、延べ4,000件に関与した専門家1,438人の回答。うち人事826、人事以外612)。

M&Aの際に、人材関連でそもそも何が重要な問題になっているかというと、図の通りの調査結果である。上述の「カルチャーの適合や統合の問題」は、この第2位である。

第1位の重要人材のリテンションは、日本企業はもとより…

 

竹田 年朗

執筆者: 竹田 年朗 (たけだ としろう)
グローバルM&Aコンサルティング パートナー

 

本記事の全文(10回分)は以下のフォームよりダウンロード可能です。

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