働き方改革 AI業務改善 パイロットプロジェクト検証レポート

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レポートサマリー

近年、テクノロジーの進化によって仕事のあり方に大きな変化がもたらされる中、既存のやり方にとらわれないイノベーションがあらゆる企業や個人に求められているが、多くの企業において人的リソース・時間制約や協働 (コラボレーション)不足がイノベーション創出の阻害要因となっている。
既存事業の収益確保とイノベーション活動を両立させるための現実的な施策として、まずは既存事業をより効率的に運営することで人・時間という最も希少なリソースを捻出していくことは極めて有力な選択肢と考えられる。
同時に、部門内の垣根を越えたコラボレーションを促進していく上では、コラボレーション活動を奨励し強化する組織文化を醸成するような具体的な協業を促進する仕掛け、仕組みが重要となってくる。

上記を踏まえ、日本マイクロソフトでは、社員の働き方の質の改善を目的とし、2016年末から約4ヶ月間、マイクロソフトの統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」の「MyAnalytics」を活用した社内業務改革検証プロジェクトを実施しました。
MyAnalytics により、会議やメールなどに費やしている時間を見える化したデータを分析し、実施部門で合計3,579時間の無駄な時間を削減し、より付加価値の高い働き方の実現に向けて改善する結果となりました。

本取組では、プロジェクトは日本マイクロソフト社内4部門を対象とし、以下3ステップについて、 1週間サイクルでのモニタリングを4ヶ月にわたり実施した。

  1. 現状の「働き方」の可視化
  2. 現状に基づく改善案の策定
  3. 改善案の実行・改善状況のトラッキング

改善活動を行う上ではマイクロソフト製品"MyAnalytics"を活用した。
これは特に上記3つのステップのうち、
<1. 現状の「働き方」の可視化>や<3. 改善案の実行・改善状況のトラッキング>に役立つ 業務時間やコラボレーション状況の定量的可視化ができるツールである。
一般的にこの種の可視化の実施は極めて大きな時間・労力がかかるが、今回はMyAnalyticsを活用することで可視化に関わるコストを大きく削減し、通常は困難な週次単位でのモニタリングを実施している。

本取組を通じ、4ヶ月という比較的短期間のモニタリングの中でも、対象各部門において業務時間の削減、コラボレーションの活性化、自律的な改革マインドの醸成の3点で一定の効果があったと認められた。

取組概要
  • 日本マイクロソフト社内4部門(マーケティング、営業、ファイナンス、人事):41名対象に、MyAnalyticsを使用した業務改善を実施
  • 以下3ステップを1週間サイクルで4ヶ月実施
    1. 現状の「働き方」の可視化と理解
    2. 現状に基づく改善案の策定
    3. 改善案の実行・改善状況のトラッキング
MyAnalyticsの特徴
  • Office 365 をベースとした、「働き方」を業務時間・コラボレーションの観点から定量的に可視化(会議・メール・フォーカス時間など、個人の時間の使われ方とコラボレーション状況)
  • 時間数は週単位で自動的に集計
  • 定量化された情報、傾向に基づいて、AIが働き方見直しのアドバイスを表示
 
得られた効果

業務時間の削減

  • 1人1週間で2時間に相当する業務時間の削減

※日本マイクロソフトと同規模組織換算で、95.5人分の業務時間の削減(約723百万円相当)

コラボレーションの活性化

  • メール既読率等の気付きからコミュニケーション手段を見直し、円滑化
  • 部門間でのコラボレーションが促進され、1週間の共同作業者Top20人に占める他部門メンバーが7.9人から9.9人に増加

改善マインドの醸成

  • MyAnalyticsから多くの気付きを得られたことから、今後も継続的に働き方の改善を行うという改善マインドの醸成が一定程度実現された
 

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