お客様から最近寄せられる質問について

 

グローバルビジネスの拡大・深化により、従前の「日本から海外」の派遣に加え、「海外から日本」の派遣、「海外から海外」の派遣等が増加し、グローバルモビリティは更に活性化しています。また、「短期派遣ポリシー」「役員向けポリシー」「トレーニー向けポリシー」と複線化の議論も活発になっています。

こうした動きがある中、データとコンサルティングサービスの提供を通じて課題を解決するマーサーと皆様の接点が益々増加してきております。
皆様との接点が日々増えていく中、最近よく受けるご質問があります。

今回はそのご質問に対する回答をまとめてご紹介します。

 

Question List

 

Answer List

 

Q1:マーサーは生計費指数のデータ根拠を開示していますか?

A1:はい。開示しています。

マーサーは世界各都市において、300人近い調査員を動員して、実際に同時期に世界各都市で価格調査を実施しています。実際に現地で調査を実施し、実態のデータを保有しているため、世界各都市のどの店舗で、どのように調査を行い、どのような手法・プロセスに基づき指数を作成しているかを開示することができます。そして、それら実態を通じて人事部門の皆様が海外派遣者の給与に関してどのように説明すべきか、その課題解決に向けて、日々支援をする機会を頂いております。

Q2:マーサーのデータは定期的に見直されていますか?

A2:はい。実際の調査・検証に基づいた最新データを常に提供しています。

マーサーは世界400以上の都市を実際に年1-2回調査し、データを更新することを標準プロセスとして確立しています*。データについて皆様から質問があれば、それに答えるために常に現地情勢が確認できる体制にあります。また、顕著な社会・経済・政治状況の変動をモニタリングし、必要に応じて臨時調査を行い、その情報を皆様にお届けしています。
「世界中で実際に価格調査を行うこと」「世界情勢を専門家の視点でモニタリング・タイムリーな臨時調査を行うこと」は非常に大変な作業でありますが、マーサーは確立されたプロセス、それを運用するケイパビリティ、知見、一定の組織規模・グローバルネットワークを駆使して実施しています。

また、「海外赴任者の現地生活・購買パターン調査」を2年に1回実施しています。皆様の海外派遣者においてもご回答頂いた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
この調査は、海外赴任地における赴任者の購買パターンを生計費データにタイムリーに反映させることを目的として、定期的に全世界同時に実施しています。海外派遣者が一般的に使用する「店舗」「医療機関」「任地での交通手段」「住居」等を質問票形式で調査し、その調査から得られた情報を価格調査の店舗の選定や調査品目の更新等に反映させています。

マーサーは世界最大規模の組織体制、知見、ノウハウを駆使して、皆様に最新の実態に沿った情報をお届けするための活動を日々行っています。

* 大部分の都市を年1-2回の頻度で調査しておりますが、当社リソースの効率的な配分・活用を理由に、お客様からご購入予定がない都市等は2年に1回の場合もございます。ただし、ご要望があり次第、迅速に調査を行っております。

Q3:マーサーは「日本企業ならでは」の要素を加味したサービスを提供していますか?

A3:はい。「日本企業ならでは」と向き合い、データ及びコンサルティングサービスを提供しています。

マーサーは日本企業2,000社超とお取引きをしており、かつ、500社近くの海外派遣者処遇プラクティスのデータ、200社近くの福利厚生データ、600社近くの報酬データを有しています。また、生計費指数、ハードシップデータともに、日本人派遣者のためだけにカスタマイズしたデータもご提供しています。
また、マーサーはデータプロバイダーとして最大手ゆえ、モビリティに関するコンサルティングプロジェクト数も多く、日本企業の最新のトレンドや現場における課題と解決方法に関する知見が日々積み重なっています。

ただし、ただ闇雲に「日本企業ならでは」に基づき、海外派遣者に迎合したサービスを提供しているわけではございません。「日本企業ならでは」の「何を」「なぜ」加味したいのか、そこに内包された「想い」をいかにポリシーとして一貫性・妥当性をもたせた処遇に落とし込むかに主眼を置き、日々コンサルティングサービスを提供しています。

「想い」を処遇に反映させるためには、その「想い」の背景、妥当性、合理性、公平性等を確認し、数十項目にわたる処遇項目の中からどの項目に反映できるかを皆様と一緒に検討します。また、「何を」任地を問わず共通とするか、「何を」各任地の判断に任せるか、その項目と裁量の範囲を明確にし、「日本企業ならでは」を加味してモビリティガバナンスの精度を高めるべくコンサルティングサービスを提供しています。

こうした実際のデータ検証やコンサルティングアプローチを経ず、海外派遣者の反応を感情・感覚的に恐れ、本質を捉えずに「日本企業ならでは」を反映します、と安易に謳っていると、日本のガラパゴス化、海外派遣者処遇(福利厚生含む)のコスト上昇を加速させるかもしれません。

Q4:マーサーのデータは海外派遣者の「肌感覚」に合いますか?

A4:マーサーは海外派遣者の定性的な「肌感覚」のみを基準としてデータを作成していません。あくまで実態調査に基づいたファクトとデータサイエンスに基づいて作成しています。

「肌感覚」とは非常に曖昧な基準です。もし、その「肌感覚」にバラつきがあった場合、どう対応すべきでしょうか。
「肌感覚」を処遇決定の基準にするとして、誰の「肌感覚」を基準とするのでしょうか。「肌感覚」は任地ごとに異なるのでしょうし、階層、派遣形態、派遣者の性格等個性、「声の大きさ」によって異なります。「肌感覚」を基準とした場合、海外派遣者処遇制度の公平性・安定性は脆弱になり、運用やコミュニケーションコストは増大するでしょう。

データが実態を反映していたとしても、派遣者の「肌感覚」と異なるという場合が発生するかもしれません。その際は、マーサーはデータの根拠を説明し、人事部門のディスカッションパートナーとして、課題解決を支援します。

ただし、マーサーは「肌感覚」を無視するわけではありません。コンサルティングサービスを通じて課題解決を目指します。
海外派遣者処遇として象徴的な「任地生計費」に焦点があたりやすくなりますが、往々にして海外派遣者の「肌感覚」における違和感とは、任地生計費に起因するものではない場合が多いです。

いくつか解決方法はありますが、マーサーは「なぜ任地生計費が違和感の原因ではないのか」を説明し、「では何が違和感の原因か」を構造的に分析し、処遇全体を通じてその違和感の解消を目指します。
「肌感覚」を重視したハードシップ体系の設計支援はその一例となります。