マーサー『気候変動の時代における投資―続編(SEQUEL)』を発表

2019年6月11日
グローバル・日本, ニューヨーク・東京

 

気候変動が投資パフォーマンス(リターン)に与えている影響を機関投資家に提言

 

マーサーの最新の気候変動レポートは、投資家が投資リスクを軽減し、投資機会にアクセスするために検討しうる短長期の行動を提案している。

 

組織人事・人材活用・資産運用などに関するサービスを提供するグローバル・コンサルティング会社であるマーサーは、気候変動シナリオ投資モデルの最新の調査結果『気候変動の時代における投資-続編』を発表した。2009年以降、マーサーは、投資家に向けて体系的なリスクとして、好評を博した『気候変動の時代における投資(2015年報告書)』を含む気候変動に関する調査研究とアドバイスを公表している。マーサーが公表している気候シナリオモデルは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告と一致しており、何十年にもわたる「気候変動による収益への影響」を受ける将来予測を定量化し、すべての資産クラスと産業セクターにわたる、ポートフォリオ全体に対する気候関連の金融リスクを投資家が評価することを可能にしている。

 

『気候変動の時代における投資-続編』では、産業革命前からの世界の平均気温上昇を、 2℃、3℃、4℃とする3つの気候変動シナリオを基にして、2030年、2050年、2100年の3つの期間の投資モデルパターンを示している。より長期間(前回の2015年レポートでは2050年までの投資モデルを提示)からは、気温が上昇するごとに、自然災害の可能性と資源の可用性から予想される影響をより明確に可視化している。今回のモデルに新たに加えられたストレステストは、投資家が、そのシナリオが実際に起きる可能性やその市場浸透度、環境破壊の進み具合を見る上で、より突発的な変化がどのような影響を与えるかを評価することを可能にしている。

 

「重要な結論は、2℃目標シナリオへの投資は「必須」であり、かつ「投資機会」でもあるということです。この「必須」であるとしているのは、ほぼすべての資産クラス、地域、時間軸において、2℃目標シナリオは3℃目標や4℃目標シナリオと比較しても予想収益率が向上し、投資家にとってより良いリターンが得られるからです。また、「投資機会」としているのは、2℃目標シナリオでは既存産業が損失を被る可能性もありますが、低炭素化(脱炭素化)への移行により注目される投資機会が数多く存在するためです。このモデルは、持続可能な投資(ビジネス)資産をポートフォリオに組み込むことで投資パフォーマンスを向上させることが可能であることも示しています。今回のモデルで示された結果は注目に値するものであり、前回マーサーの『気候変動の時代における投資(2015年報告書)』で公表された内容をより強く支持し、気温上昇を2℃未満に抑える目標達成に向けた行動の緊急性を示しています。」と、マーサーの責任投資(RI)・グローバル・ビジネスリーダーのヘルガ・ビルグデン(Helga Birgden)は、述べている。

 

投資家はまた、この気候変動の時代において、投資の持つ潜在的、短期的な影響に注目すべきである。リターンへの影響を与える急激な変化は、均等にされた年間平均よりも起こりやすい。そのため、ストレステストは重要なツールとなる。

 

「2℃目標シナリオ、または4℃目標シナリオのそれぞれの確率を上昇させたテストを行ってみると、大きな価格変動イベントを起こす可能性があり、そのイベントは1年以内に+3%から-3%までのリターン格差を及ぼす。」と、ビルグデンは付け加えている。

 

当『続編(The Sequel)』は、「未来の担い手(フューチャー・メーカー/Future Maker)」アプローチを積極的に取り入れ、2℃目標シナリオへの移行を実行するための明確なフレームワークを投資家に提供している。前回の『気候変動の時代における投資(2015年報告書)』で定義されたように「未来の担い手(フューチャー・メーカー/Future Makers)」は、移行リスクに直面する企業に2℃目標シナリオに沿ったビジネスプランを提示するよう推奨し、政府に対してパリ協定*を急ぎ実行するよう促している。そうすることによって、気候変動に対するコミットメントを強化させているのである。

 

* 2015年にパリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)にて締結された協定

「これは、世界経済フォーラム2019の報告書に記載されているリスク管理に関するもので、明らかにフィデューシャリーに関する問題なのです。資産運用担当者は、投資理念、ポリシー、プロセスからポートフォリオ構築の決定まで、投資プロセスのあらゆる段階で気候変動を考慮する必要があります。」とマーサーのグローバル投資調査責任者であるデブ・クラーク(Deb Clarke)は述べている。

 

マーサーはすでにオーストラリア、ヨーロッパおよびイギリスにおいて更新したモデルに基づき、多くの先駆的顧客に助言を提言しており、さらに、この新しいモデルをヨーロッパおよび太平洋地域のマーサーの運用戦略として、重要な分散型投資ポートフォリオに適用している。

 

マーサーの当該気候変動の取り組みは、責任投資(RI)ビジネスチームが主導する全社的なコラボレーションです。 マーサーの「責任投資への道筋」(Responsible Investment Pathway)は、マーサーが提供するRIサービス、つまり、投資の最も重要なプロセス(投資哲学、方針とプロセス、投資実行)全体をしたものである。

 

 

 

 


マーサーについて

マーサー(英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、社長兼CEO:Martine Ferland) は、組織・人事、福利厚生、年金、資産運用分野におけるサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。
全世界約23,000名のスタッフが44ヵ国、約180都市の拠点をベースに、130ヵ国以上でクライアント企業のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。

日本においては、40年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、資産運用に関するサポートなど、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。
マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。 マーサーについての詳細は、以下をご参照ください:
マーサージャパン ウェブサイト
Mercer(Global) ウェブサイト

 

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マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(ニューヨーク証券取引所コード: MMC)は、グローバルプロフェッショナルサービスを提供する企業グループとして、顧客企業にリスク、戦略、人材分野の助言とソリューションを提供しています。
マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズはマーシュ(保険仲介とリスクマネジメント)、ガイカーペンター(再保険仲介・コンサルティング)、マーサー (組織・人事マネジメント・コンサルティング)、そしてオリバーワイマン(戦略コンサルティング)から構成されており、年間総収入170億米ドル超、全世界に75,000名の従業員を擁し、世界各地の顧客に分析、アドバイスを行い、各種取引を支援しています。
当グループは責任ある企業市民として事業展開しているコミュニティに貢献しています。詳しい企業情報については www.mmc.comをご覧ください。

 

 

 

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